4Mとは?品質管理における4Mについて簡単に解説

こんにちは、品質管理ドットコムの山本です。国立大学で修士号を取得し、現在は東証一部上場企業の品質部門にて活躍しています。私の情熱は「品質」にあり、製品品質の評価と品質管理を専門としています。

今回は「4Mとは」と題して記事を書かせていただきます。

前書き

製造業の品質管理における4M(Manpower、Machine、Material、Method)はとても重要です。人、機械、材料、方法のそれぞれが品質に直接影響します。適切な訓練を受けた従業員(人)が適切な機械や材料(Machine、Material)を使い、効果的な生産方法(Method)を採用することで、品質の向上と一貫性を確保できます。これらの要素をバランスよく管理することが、製品の品質と顧客満足度の向上につながります。

4Mとは

4Mとは、Man(人)、Machine(機械)、Material(材料)、Method(方法)の4つの要素で製造業の品質管理を考える手法です。製品の品質を維持し改善するために、これらの要素を詳しく見ていきましょう。

Man(人)

製造現場の作業員やスタッフが重要です。適切なスキルや能力を持ち、管理された作業員が品質を保つために欠かせません。スキルや適性を分析し、作業員を的確に配置することが必要です。

また、作業者のスキルに差があると、完成した製品の品質にもバラツキが生じます。そうならないために、従業員の教育や訓練を行い、一定レベル以上の能力を全員が持てるようにしましょう。

Machine(機械)

製造現場の機械や設備の管理も重要です。最新の機械を導入し、定期的なメンテナンスや点検、適切な配置を行うことで、品質を維持します。

設備のメンテナンスを怠ると不良品の発生につながることがあります。

Material(材料)

製品を作るための原材料や部品の調達と管理が必要です。購入先の選定や在庫管理、検査などを行い、安定した製造を実現します。

半導体業界などは特に素材に対する変更に厳しいので注意しましょう。こちらについては「変更管理」で調べていただければすぐに出てくると思います。

Method(方法)

製品を製造する方法の標準化が重要です。マニュアルの作成や見直しを通じて、効率的な製造手順を確立します。

ダメなパターンが「やり方は作業者に任せている」というパターンです。これでは人によってやり方が異なるので、完成する製品の品質も人によって変わってしまいます。

きちんと作業の標準化を行うことで、品質を保ちましょう。

事故や災害対策に役立つ4M分析とは

4M分析とは、労働における事故や災害の原因を分析し、対策を検討する際に用いられる手法です。4Mは、Man(人)、Machine(機械)、Media(媒体)、Management(方法)の要素を指し、それぞれが事故や災害の原因となる可能性があります。

  • 人(Man)本人及び本人以外の直接関与した人、人的原因
  • 機械(Machine)設備、機械などの原因
  • 媒体または環境(media)作業環境、マニュアル、作業情報などの原因
  • 管理(management)管理システム、方法の原因

4M分析のやり方

4M分析のやり方は、紙を4つに区切り、それぞれ人(Man)、機械(Machine)、媒体または環境(Media)、管理(Management)に分類し、関連する原因を記入することです。現場スタッフと共有し、事故や災害の再発防止につなげます。

変更管理における4M分析

また、4Mは変更管理にも活用されます。担当者の変更や機械の改造などの変更点を明確にし、その影響や対策を記入した管理表やマニュアルを用意します。これにより、予測できないトラブルが発生した場合も迅速な原因特定と解決が可能となります。

変更管理では以下の観点で4Mを分析します。

  • Man(人)担当者の変更/ローテーション・休暇など
  • Machine(機械)機械や設備の新設・変更・移動・改造/工場の移転・新設/工具の変更・更新など
  • Method(方法)製造方法・操作方法の変更/製造条件の変更など
  • Material(材料)材料や仕入れメーカーの変更など

各変更点を、変更があるたびにマニュアルや管理表、4M変更申請書に詳細に書き込み、その変更がもたらす可能性のある影響や対策を記録しておきます。これにより、予測できなかったトラブルが発生しても、変更点が記録されているため、迅速な原因特定と問題解決に役立ちます。

4Mの進化系とは?

最近は、流行や新製品の開発・販売が速いですね。そのため、製造業の生産現場も常に変化や変更が求められています。

これまでの品質管理には4Mが使われてきましたが、新たな要素が必要とされるようになり、そこで5M+1E6Mが登場しました。これらは4Mの進化系とも呼ばれ、品質管理の現場で広く活用されています。

筆者としては5M+1Eが1番主流ではないかと思っています。

5M

まず、5Mは、4Mに検査・測定(Measurement)の要素を加えたものです。原材料の正しい計測や品質測定、検査は製品の品質維持に欠かせません。そのため、統一された測定と検査基準を確立し、精度を高める必要があります。

5M+1E

次に、5M+1Eは、5Mに環境(Environment)の要素を加えたものです。製造業では工場内の温度や湿度、気圧などの環境が品質に影響を与えます。品質を安定させるためには、環境条件を一定に保つ必要があります。

6M

そして、6Mは、5Mにマネジメント(Management)の要素をプラスしたものです。製造業では、多品種少量生産が主流となり、ひとつのラインで複数品種の製造を行うことが増えています。そのため、生産ライン全体を俯瞰して把握し、効果的なマネジメントを行うことがますます重要になっています。

まとめ

4Mとは?という内容について今回は解説を行いました。ここで解説している内容はあくまで基本のキ程度の話なので、詳しくは著書などを参考にしてみてください。

「もっと詳しい情報が知りたい」や、「こんな情報教えて欲しい」ということがありましたら、お気軽にご連絡ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。興味があれば、他の記事もご覧ください。

タイトルとURLをコピーしました