品質リスクマネジメントとは

こんにちは、品質管理ドットコムの山本です。国立大学で修士号を取得し、現在は東証一部上場企業の品質部門にて活躍しています。私の情熱は「品質」にあり、製品品質の評価と品質管理を専門としています。

今回は「品質リスクマネジメントとは?」と題して記事を書かせていただきます。

前書き

自社の品質管理活動は十分なのか?と不安に思ったことはありませんか。本記事では品質リスクマネジメントの「課題」「対応策」について解説します。本記事を読んで改めて品質管理活動について考え、自社の管理が十分なのか検討してみましょう。

品質管理活動

日本の製品は世界的に高い評価を受けていますが、品質管理を軽視すると大きな損失や信頼の失墜につながります。顧客は品質を重視し、万が一の品質問題は信頼を失わせ、企業に大きな損害を与える可能性があります。

品質リスクマネジメントには、「ルール」、「仕組み」、「企業風土」の3つの観点から取り組む必要があります。

ルールに関する課題:

  • 品質管理を特定の部署だけで行っている場合や、現場とのコミュニケーションが不十分な場合があります。
  • 形骸化したルールや文書が使われていない場合もあります。

仕組みに関する課題:

  • ISO9001などの審査のためだけに文書が作成され、実際の業務改善につながっていない場合があります。
  • クレームや問題の報告がなく、情報共有が不十分な場合もあります。

企業風土に関する課題:

  • 成果や納期遵守が重視されるため、品質管理に割ける時間やリソースが不足していることがあります。
  • 企業のトップやリーダーが品質管理に積極的に関与していない場合もあります。

これらの課題に対処し、品質管理の重要性を徹底的に浸透させることが必要です。

品質リスクマネジメントの対応策

品質リスクマネジメントを現場に浸透させ、効果を実感するためには、適切な対応が必要です。

① ルールに関する対応策:

  • 品質管理は全ての従業員が理解しているべきです。品質管理部門の役割は最低限に抑え、現場が主体となって活動を行います。
  • 形骸化し活用されていないルールや文書を洗い出します。現場が中心となり、必要なルールを選択し、実際に活用し遵守できるように改定します。

② 仕組みに関する対応策:

  • 重要で必要なルールのみを適用します。証拠作りだけの中身のない運用は行いません。
  • 問題やヒヤリハットは全て記録します。現行のルールが効果的かどうかを検証し、必要に応じて改定を繰り返します。

③ 企業風土に関する対応策:

  • トップ自らがリーダーシップを発揮し、品質管理に取り組みます。
  • ISOの獲得や保持のためだけでなく、顧客満足度向上を目指し、効率的な品質マネジメントシステムを構築しましょう。つじつま合わせの非効率なシステムやルールを改善し、トップが率先して品質リスクマネジメントに取り組みます。

まとめ

今回は「品質リスクマネジメントとは?」について紹介させていただきました。

「もっと詳しい情報が知りたい」や、「こんな情報教えて欲しい」ということがありましたら、お気軽にご連絡ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。興味があれば、他の記事もご覧ください。

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